はじめに
Salesforce導入案件では、要件定義工程で非機能の検討を行う際に、必要となるストレージ容量の算出を行うことが多いと思います。
移行データのボリュームや将来的なデータの増加見込みを考慮して試算を行いますが、毎回エクセルとかで数式を作成して計算している方も多いと思います。
毎回エクセルファイルを作成してというのも面倒なので、簡単にストレージの計算が行えるようにWEBのシミュレーター機能を作成してみました。

今回は、このツールの機能や使い方を簡単に説明していきたいと思います。
ツールはこちらのページにて利用可能となっております。
Salesforceストレージ容量シミュレーターの仕様について
本シミュレーターでは、以下の機能を実装しています。
機能リスト
- オブジェクトの追加・削除:試算対象のオブジェクトを追加・削除するボタンを配置してます。
- CSVファイルに出力:計算結果をそのままエクセルで開ける形式のファイルに出力
- TSVファイルに出力:タブ区切りのファイルへの出力
- クリップボードへ保存:計算結果をクリップボードへコピー
- 試算方法:
- 累積レコード数 = ユーザー数 × 月間レコード登録数 × 12ヶ月 × 保存期間 × 成長率考慮
- ストレージ使用量 = 累積レコード数 × 2KB
- 成長率は複利計算で適用されます
ツールの利用方法
基本操作
ストレージ容量試算画面を開くと以下の画面が表示されます。デフォルトでは、Accountなどのオブジェクト3つのレコードを初期表示しています。
上部は、試算のための入力フィールドが表示されます。
オブジェクトの追加と削除
オブジェクトを追加ボタン:クリックすると以下のように1行レコードが追加されます。
レコードの一番右の列にある削除ボタンをクリックすると明細レコードが削除されます。
容量計算
オブジェクト名を入力後、以下の項目を入力することで自動的に計算が行われます。
- ユーザ数:オブジェクトを利用するユーザ数を入力します。
- 月間レコード登録数/ユーザー:1ユーザ当たりの月間の登録レコード数を入力します。
- 保存期間(年):レコードの保存期間を年単位で入力します。
- 成長率(%/年):年間当たりのレコードの成長率(増加率)を入力します。
上記の項目はそれぞれ値を変更する度に都度計算が行われ、画面下部に計算結果が表示されます。
シミュレーション結果の表示
ストレージ使用量のサマリーとして以下の内容が自動計算されて表示されます。
①総レコード数:画面上部で入力した各オブジェクト毎のユーザ数x月間レコード登録数x12カ月x保存期間x成長率で計算したレコードの総数を表示
②総ストレージ使用量:①総レコード数x2KBの結果をGB換算して表示
③月間増加量:月あたりのストレージの増加容量を表示
④年間増加量:年間あたりのストレージの増加容量を表示
CSVファイル出力
計算した結果をCSV形式やTSV形式で出力することができます。
CSV形式で出力した場合
CSV形式で出力したファイルをエクセルで開くと以下のように表示されます。
TSVファイルで出力した場合
TSV(タブ区切りファイル)の場合は、以下のように表示されます。
クリップボードへコピーする
クリップボードへコピーするを実行するとクリップボード内に以下の内容がコピーされます。
Salesforce ストレージ容量試算結果
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出力日時: 2025/6/19 23:37:29
【サマリー】
総レコード数: 2,079,899
総ストレージ使用量: 3.967 GB
月間増加量: 0.0751 GB
年間増加量: 0.901 GB
【詳細結果】
Account:
- ユーザー数: 150
- 月間レコード登録数/ユーザー: 200
- 保存期間: 5年
- 成長率: 5%/年
- 累積レコード数: 1,989,227
- ストレージ使用量: 3.794 GB
- 月間増加量: 0.0696 GB
- 構成比: 95.6%
Contact:
- ユーザー数: 100
- 月間レコード登録数/ユーザー: 20
- 保存期間: 3年
- 成長率: 10%/年
- 累積レコード数: 79,440
- ストレージ使用量: 0.152 GB
- 月間増加量: 0.0046 GB
- 構成比: 3.8%
Opportunity:
- ユーザー数: 30
- 月間レコード登録数/ユーザー: 15
- 保存期間: 2年
- 成長率: 8%/年
- 累積レコード数: 11,232
- ストレージ使用量: 0.021 GB
- 月間増加量: 0.0009 GB
- 構成比: 0.5%
まとめ
いかがでしたでしょうか。使い方は非表示シンプルで分かりやすいと思います。
もし、利用にあたって仕様を変更したいなどご要望がございましたらお問い合わせフォームからご連絡ください。
ツールのURLを再度掲載しておきます。