はじめに
Salesforce for Outlookは、営業チームが日常的に使用するOutlookとSalesforceを統合し、業務効率を向上させるツールとして多くの企業で活用されてきましたが、
Salesforce for Outlookが廃止されることが発表されており、現在は代替ソリューションへの移行が推奨されています。
本記事では、Salesforce for Outlookの主要機能と設定方法について詳しく解説し、代替ソリューションについても触れていきます。
廃止スケジュール
既に実施された変更(2021年夏)
- アクションメニューの廃止:サイドパネルの「新規レコード」ボタンが機能停止
完全廃止予定
- 2027年12月:Salesforce for Outlookの完全廃止
廃止の背景
Salesforce for Outlookが廃止される主な理由は、技術的な依存関係にあります。
技術的な課題
- Salesforce for OutlookはMicrosoft Internet Explorer 11(IE11)と連動
- Lightning ExperienceによるIE11サポート終了の影響を受ける
- IE11からのAPEXコール解釈がLightning Experienceに依存
現在の状況
- Winter '19以降、既存ユーザーのみがメンテナンス段階で利用可能
- 新機能の追加は停止済み
組織への具体的な影響
現在利用できない機能(2021年夏以降)
- OutlookのサイドパネルからSalesforceレコードの新規作成
- アクションメニュー(新規取引先責任者、新規イベント、新規ケースなど)
2027年12月以降の影響
- 機能面:
- 取引先責任者、イベント、タスクの同期停止
- サイドパネルからのSalesforce接続不可
- 設定の更新・管理機能の停止
- データ面:
- 既存のSalesforceデータには影響なし
- 過去に同期されたOutlookデータは保持
- Outlook設定へのアクセスのみ不可
代替ソリューション
Salesforceは以下の次世代製品への移行を推奨しています。
1. Outlook インテグレーション(旧Lightning for Outlook)
- 機能:Salesforceサイドパネル環境の代替
- 特徴:OutlookからSalesforceレコードの表示・操作が可能
2. Einstein活動キャプチャ
- 機能:取引先責任者と活動の同期
- 特徴:次世代の同期ソリューション

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参考Einstein Activity Capture(活動キャプチャ)を使用したカレンダー(行動)や取引先責任者の同期方法について【①設定編】
Einstein活動キャプチャとは? Einstein活動キャプチャは、GoogleやMicrosoftのOutlookとSalesforceのメール・カレンダーを自動連携し、営業活動の可視化・生産性 ...
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3.Salesforce for Outlookとの機能比較
移行時の注意点
システム要件の変更
- Microsoft Outlook 2010、Exchange 2010との互換性なし
- サポート対象バージョンへの更新が必要
ライセンス・エディション制限
- 一部のSalesforceエディションでは次世代機能が利用不可
- 事前の確認が必要
機能の相違点
- Salesforce for Outlookと次世代製品では機能に違いあり
- 詳細な機能比較の確認を推奨
対応のステップ
1. 現状把握
- Salesforce for Outlookログイン履歴レポートで利用ユーザーを特定
- Outlook設定の割り当て状況を確認
2. 移行計画の策定
- 業務への影響度評価
- 移行スケジュールの作成
- ユーザートレーニング計画
3. 次世代製品の検討
- Outlook インテグレーションの評価
- Einstein活動キャプチャの導入検討
- システム要件の確認
まとめ
Salesforce for Outlookの廃止は、多くの組織にとって重要な変更となります。2027年12月の完全廃止に向けて、早期の対応準備が必要です。
推奨アクション
- 現在の利用状況の把握
- 次世代製品の評価・検討
- 移行計画の策定と実行
- ユーザートレーニングの実施
Salesforceは引き続き次世代製品の機能強化を行っており、より優れたMicrosoft統合機能を提供しています。この機会に、より効率的で将来性のあるソリューションへの移行を検討されることをお勧めします。