みなさん、こんにちは。今回の記事は、テスト計画書の作成がテーマとなります。
最近は本サイトへのアクセスも増えてきており、特にプロジェクト管理やテスト計画などに関してのお問い合わせやテンプレートのご要望が多いため、今回は、Salesforceプロジェクトのテスト計画書の作成方法をご紹介していきたいと思います。
テスト計画書(結合テスト)のテンプレート(サンプルあり)もご用意いたしました。
では、さっそくテスト計画書の作成方法について説明していきたいと思います。
1.結合テストのテスト計画書作成
今回は、結合テストにフォーカスしたテスト計画書となっております。
では、まずテスト計画書で記載する事項について説明していきます。
結合テスト計画書(章立て)
まず、一般的なプロジェクト計画書の章立ては以下のようになります。
※中小規模の案件(ライセンス費用など込みで、5千万程度以下の案件くらい)であれば、もう少し簡略化した計画書を作成してもよいでしょう。
【結合テスト計画書(章立て)】参考
目次
改訂履歴
用語集
- はじめに
- 本書の目的
- 本書の構成
- 基本事項
- テストの目的
- 基本方針
- 結合テストの位置づけ
- テスト計画
- テスト範囲(スコープ)
- テスト対象
- )内部結合テスト
- )外部結合テスト
- )性能(パフォーマンス)テスト
- )テスト対象外機能
- )責任範囲(責任分界点)
- テスト実施環境
- )サーバ環境
- )クライアント環境
- )補足)テスト対象ブラウザ
- )テストツール
- テストスケジュール
- )全体スケジュール
- 体制と役割
- )実施体制(全体)
- )実施体制と役割(弊社)
- 成果物
- )成果物一覧
- テスト開始・終了条件
- テスト工程の進め方
- )各作業工程の進め方
- )テスト要員とトレーニング計画
- )テスト設計
- )テスト実装
- )テスト実行
- )回帰テスト実施概要
- )テスト証跡の対象と取得方法
- 管理方針
- )テストの進捗管理
- )インシデント管理
- )テスト品質管理
- )想定されるリスクと対策
- )コミュニケーション方法
- 添付資料(Appendix)
自社のテンプレートがないという方は、Creative Content Lab Tokyoが作成したテスト計画書のサンプルを参考に作成してみてください。
結合テスト計画書のサンプルドキュメント
結合テスト計画書のテンプレートが必要な方は、以下の記事からダウンロードしていただくことができます。
-
参考salesforce-basic1-3-2
続きを見る
テンプレートのサンプル画像をいくつか掲載しておきます。
※画像はクリックすると拡大表示されます。
1.本書の目的
※図をクリックすると拡大表示されます。
2.基本事項
結合テストの位置づけ(機能テスト)
結合テストの位置づけ(非機能テスト)
2.テスト対象
性能(パフォーマンス)テスト
3.テスト実行環境(サーバ環境)
5.体制と役割
8.テスト実施手順
10.管理方針
1)進捗管理
3)品質管理
サンプルは以上となります。
テスト計画書の作成にあたって
テスト計画書のサンプルをご覧になられましたでしょうか。
初めてテスト計画書を作成する方は、どのような考え方で、計画書を作成していくのかわからないことも多いと思います。
まずは、各章で何を記載するべきか、どういう観点で書いていけばいいのか理解することが大切です。
テンプレートを使って同じように書いていけば、ある程度の品質の計画書を作成することはできますが、担当するプロジェクトの特性や制約、進め方によって不要な部分があったり、逆に必ず追記しなければならない事項が存在する場合もあるため、まずはしっかり自分の頭の中で整理してください。
特に他システムと連携する外部インタフェースの結合テストでは、他社と協業しての作業が必要となるため、体制や役割、スケジュール、テスト環境や手順のすり合わせが重要となってきます。
テスト計画書の作成手順
では、結合テストのテスト計画書の作成手順を説明していきたいと思います。
基本的にはテンプレートの各章で記載すべき事項などを中心に説明していきます。赤文字の内容については、特に注意してください。
表紙
まずは、表紙の作成から。会社のテンプレートによって表示位置やサイズなど様々ですが、基本的には以下のような構成が一般的です。
- 顧客名(左上)
- プロジェクト名(上下中央)
- 版数(中央下段)
- 作成日、作成者(会社)(中央下段)
※このあたりは、自社のテンプレートを使う場合には、自社の規定に合わせて変更してください。
1.本書の目的
続いて、本書の目的について記載します。テスト計画書の目的を概要レベルで記載してください。
また、本書の構成についてもプロジェクトの規模や会社の方針、または提案書の内容に合わせて成果物の構成は変更してください。
結合テスト工程で必要となる成果物は以下のようなものがあります。
参考
(テスト計画)
- 結合テスト計画書
(テスト設計)
- 結合テスト仕様書(テストシナリオやテストケース)
- 結合テスト手順書
(テスト実施・管理・報告等)
- 結合テスト実施結果報告書
- 結合テスト実施時の証跡(ログファイルやスクリーンショットなど)
- 結合テスト進捗管理表
- 結合テストインシデント管理表(故障管理表)
- 結合テスト品質分析結果報告書
- テスト完了報告
※上記についても、本サイトでテンプレートとしてご提供させていただいておりますので、ぜひご利用ください。
2.基本事項
第2章では、基本事項に関しての記載をしています。まずは、結合テストの目的について記載します。
1.テストの目的
実施範囲(何と何の結合テストを実施するのか)や目的(何が正しいことを検証するのか、また正しくない動作の場合の対処(発覚した欠陥を除去し品質を高めるなど)を記述します。
記載例
・結合テストでは、本システム及び関連するサブシステム/外部システム間を含めた、全体の動作が設計工程で定義した仕様通りに動作することを確認し、故障を除去することを目的とする。
2.基本方針
ここでは、テスト方針書などで検討した方針に基づき、結合テストに関する基本方針を記述します。
内容としては、テストの実施方針や、テストレベル、制約事項(xxにより〇〇は検証しないなど)、スケジュールなど、関係者と握っておくべき結合テストの方針を明確に記述します。
記載例
- 本テスト計画書の内容については、事前(テスト開始前)に、お客様及び関係各社様へ内容の説明を行い、計画の承認を行うこととする。
- 結合テストについては、処理結合テスト、機能結合テスト、システム結合テストを実施する。
- 結合テストの実施タイミングについては、早期に故障を検出し、品質改善を行うため、単体テストが完了した機能から順次結合テストの実施を行うこととする。
- テストケースの作成にあたっては、本テスト計画で定めたテスト観点表、テスト技法を組み合わせて作成すること。
- 結合テストの実施前には、テスト設計(テストシナリオ、テストケース)が完了していること。
- 本書で定めるテスト品質の基準を満たさない場合には、品質分析を行い、不足しているテストケースの追加やプログラムの改善を実施すること。
- テストデータ作成方針
- テスト環境の利用方針
3.結合テストの位置づけ(機能テスト)
次は、結合テストの位置づけについて説明しています。まずは、機能テストについての説明となります。
プロジェクトや会社によって、テスト工程の分け方や、テストの分類などが異なる場合もありますので、適宜テーラリングしてください。
ここでは、結合テストを内部結合テストと外部結合テストの2つに大きく分類しています。
また内部結合テストに関しては、以下の3つに分類しています。
- 処理結合テスト:コンポーネント間の結合テスト
- 機能結合テスト:機能(プログラム)間の結合テスト
- 業務結合テスト:業務フローに基づいた業務間の結合確認の業務結合テスト
外部結合テストに関しては、外部システム等とのインタフェーステスト(API連携やファイル連携など)と位置付けています。
上記資料の左側は、Salesforceのサービス基盤と設定・開発作成したアプリケーションで分けており、機能テストでは、赤い部分の機能に関しての、内部結合テスト、外部結合テストを実施するという意味合いで記載しています。
テスト実施にあたっては、Salesforceのアーキテクチャを理解して、関係者に説明下うえで、どの部分について、どのようなテストを実施するのか説明するのがよいでしょう。
3.結合テストの位置づけ(非機能テスト)
つづいては、非機能要件のテストの位置づけについての説明となります。
非機能に関しても、どの範囲までどのようなテストをするのか、事前に検討する必要があります。
非機能の全体像は、IPAが公開している非機能要求グレードに全体像が記載されています。その中からSalesforceの利用にあたって必要な検証事項を洗出しして、お客様と各事項に対して、どのレベルまでテストをするのか、検討しましょう。
IPA(情報処理推進機構)へのリンクは以下となります。(クリックすると外部サイトが開きます)
Salesforceの非機能のテストとしては、アプリケーションや基盤についての性能(パフォーマンス)検証、セキュリティ検証を実施することが多いと思います。
ただし、Salesforceでは、サービスに影響を与える可能性があるため、性能(負荷)テストの実施には注意が必要です。
具体的には、salesforceのサポートへ事前に連絡し、実施する内容について(実施の必要があるのか)の承認や、実施する場合の環境や日時の調整を行う必要があります。詳しくは以下を参照してください。
以下、Salesforceヘルプサイト
基本事項に関する説明は以上となります。
つづいては、第3章(テスト計画(テスト範囲))からとなります。
続きは、次の記事へ
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参考テスト計画書の作成(結合テスト)(2)スコープ~テスト実施環境
前回の記事では、結合テストの章立から基本方針についてまで説明してきました。 結合テスト計画書の作成(第二回)では、テスト計画の詳細について説明していきたいと思います。 テスト計画書の作成手順 3.テス ...
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結合テスト計画書のテンプレートが必要な方は、以下の記事からダウンロードしていただくことができます。
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参考テスト計画書(結合テスト)(PPTテンプレート)サンプル
本記事では、Creative Content Lab Tokyo(クリエイティブコンテンツラボトウキョウ)が作成した結合テスト計画書のテンプレートをご提供しております。 テスト計画を立てたことがないと ...
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