要件定義

セールスフォースの要件定義(1)組織・業務体系の整理

本記事では、セールスフォース導入プロジェクトの上流工程(要件定義フェーズ)で行う作業の進め方や作成する成果物について説明していきます。

要件定義の進め方については、会社ごとのメソドロジーや個人の経験に基づく進め方など、プロジェクトの性質や担当されるPMやコンサルタントによって、最適な進め方は異なるものとなります。

ここでは、クリエイティブコンテンツラボトウキョウのメンバーの知識や経験に基づく内容で説明をしていくため、プロジェクトに合わない部分や、ご自身である程度進め方のテンプレートがある場合もあるかもしれません。

チロ
ご利用できる部分があれば、ご活用いただけると幸いです

組織の確認

経営コンサルタントや専門の業務コンサルタントの方がいらっしゃるプロジェクトであれば、すでに組織体系や業務体系など整理されたアウトプットがあると思います。その場合には、アウトプットを引き継いで、システム要件定義に取り掛かればよいと思います。

そういった上流工程のアウトプットがない場合には、自分たちでお客様に必要な情報を提供していただき、整理をしていくところから開始する必要があります。

まずは、お客様の組織図を入手しましょう。業務整理の方法は何通りかありますが、基本的には組織体系ベースで整理していくことをお勧めします。

またSalesforceの権限制御であるロールを検討する際にも組織構成と業務体系をベースに検討することが多いため、権限検討の際にも利用することになります。

組織図の定義

組織図を入手したら、組織構成を把握して、業務整理・システム整理対象となる組織を特定するところから始めましょう。

上記のような組織図を提供していただき、組織構成を以下のように一覧化しておきます。

※上記の組織図・業務体系図のエクセルテンプレートは以下よりダウンロードしていただけます。

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業務体系の整理

組織の整理が終わり、プロジェクトの対象となる部門が特定できたら、次に業務体系図を作成して、業務体系を整理していきます。

業務体系を整理するためには、まず全社の業務を俯瞰して全体像を明らかにし、その後整理対象部門の各業務について調査・ヒアリングを行い洗い出しする必要があります。

プロジェクト選任の業務担当者がいる場合には、プロジェクトの会議体に参加してもらい業務ヒアリングや課題・システム化の検討ができます。

業務体系図(業務機能階層図・業務機能一覧表)を作成

インプットとなる既存の業務フロー図や業務説明書などがある場合には、事前に提供していただき、それを基に全体の業務を俯瞰することができる業務体系図を作成していきましょう。

業務体系図は、業務機能階層図や業務機能一覧表と呼ばれることもありますが、どれも同じようなものを指します。

業務を大きく3つ程度に分類して階層構造に落とし込んでいく作業となります。階層の粒度については一般的に3階層が利用されますが、3階層でなければいけないということはありません。

業務階層に落とし込みをする場合に重要なことは2つあります。1つ目は、大分類(最上位)をどの粒度の業務と定義するか。

最上位をマスタ管理、購買、販売、会計...のような単位を最上位としているものが多いと思いますが、例えば、製造業の場合には、製品ごとに組織や業務が構成されている場合もあります。

その場合には、以下のような整理になってくると思います。※製品やサービスを大分類として定義

大分類 中分類 小分類
製品A 購買管理 見積依頼ー発注管理ー入荷管理ー仕入管理ー支払・買掛管理
生産管理 生産計画ーMRP(資材所要計画)ー発注依頼ー工程管理ー在庫管理(資材・半製品・製品)ー原価計算
販売管理 引き合いー見積ー受注ー出荷ー売上ー請求・売掛管理
製品B 購買管理 見積依頼ー発注管理ー入荷管理ー仕入管理ー支払・買掛管理
販売管理 見積ー受注ー出荷ー売上ー請求・売掛管理
製品C ... ...

上記のように製品を軸とした業務体系があるということは、最初にご紹介した組織図を見てみると、組織構成も製品を軸としたものになっているのではないでしょうか。

組織構成と業務体系は切り離して考えるのではなく、事業や業務を円滑に行うためにどのような組織なのかという観点でみるとよいでしょう。

ここで組織の話を詳しく書く予定はありませんが、中小企業診断士試験の内容でも出てきますが、組織構成には、以下のようなものがあります。

  • 機能別組織
  • 事業部制組織
  • チーム型組織
  • カンパニー型組織
  • マトリックス型組織

経営組織に関して興味のある方は、バーナードの組織論など調べてみるとよいでしょう。

話が少しそれてしまいましたが、業務体系の整理には、お客様の業態や業務知識などもある程度必要になってくることもあります。

とはいっても、特殊な業務やお客様しか知らないような専門的な内容まで理解する必要はありません。経験の少ないうちは、最低限ERPで扱うような領域の業務内容を把握しておくとよいでしょう。

まずは、SEが知っておくべき基本となる業務知識を学習しておきましょう。書籍で学習したい方は、こちらがおすすめです。

参考おすすめの書籍(業務知識)

本日は、Creative Content Lab Tokyo(クリエイティブコンテンツラボトウキョウ)がお勧めする業務知識の助けとなる書籍をご紹介していきたいと思います。 Salesforceの導入プ ...

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業務ヒアリング

組織・業務体系図のドラフト版が出来上がったら、それに基づいて業務ヒアリングを実施しましょう。

お客さまも通常業務があるため、時間には制約があります。

効率的にヒアリングを進めるためにも、どの部署から順番に確認していくのがよいか事前に検討しておきましょう。

ヒアリングのスケジュール表を作成して、具体的な日程を調整するとよいでしょう。

ただし、どうしても業務担当者の方が時間が取れないという場合もあるかと思います。

そのような場合には、なるべく早い段階で、ヒアリングシートを渡しておき、事前に業務内容を整理して記入していただくように手配しましょう。

※本サイトで提供しているヒアリングシートは以下となります。

参考業務ヒアリングシート(Excelテンプレート)

本記事では、Creative Content Lab Tokyo(クリエイティブコンテンツラボトウキョウ)が作成した業務ヒアリングシートのテンプレートをご提供しております。 他にも要件定義で必要な以下 ...

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最低限記入してもらうのは、業務手順、業務説明ですが、可能な限り、必要なインプット、アウトプット、作業時間、業務課題なども記入してもらうようにお願いしましょう。

細かい内容になると嫌がられる場合もあるので、その場合には、テキストに箇条書きで纏めてもらってもいいでしょう。

業務機能階層図の作成

各担当者への業務ヒアリングを進めながら、業務体系の整理をして、最終的には以下のように業務機能階層図として整理します。

また、このあとのシステム要件定義を効率よくすすめられるように、以下の列も追加して確認しておくようにしましょう。

  • アクター定義:業務(作業)を実施する人・システムの明確化
  • 作業サイクル:随時、日次、月次など処理サイクルを確認
  • 現行システム:現在どのようなシステムやツールを使って作業しているのか。(ex.エクセル、ワード、ERPなど)
  • 課題・要件:現行業務の課題や改善要件など

次のシステム要件定義では、作成した業務機能階層図をベースにシステム要件を明確にしていく作業となるため、この段階で業務課題や要件は明確にしておきましょう。

上記テンプレートは以下からダウンロードしてご利用いただけます。

参考業務機能階層図・業務機能一覧(Excelテンプレート)

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次に整理する業務プロセス(業務フロー図)のレイヤー階層と3段階(大中小)の分類を意識しておきましょう

まとめ

まずは、要件定義の最初に整理するべき、組織や業務体系の整理に関しての進め方やテンプレートをご紹介いたしました。

このあとは、詳細な業務内容の整理をしていく工程となります。具体的には業務フロー図の作成作業やシステム化に向けたFit&Gap一覧の作成など

続きは、別の記事で説明する予定です。

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