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テンプレート 開発

Salesforce開発コーディング規約(Apex)サンプル

本記事では、Creative Content Lab Tokyo(クリエイティブコンテンツラボトウキョウ)が作成したSalesforceの開発コーディング規約(Apex)のテンプレートをご提供しております。

Salesforce開発において、品質の高いコードを書くことは、システムの保守性、拡張性、そして開発チームの生産性に直結する重要な要素です。

しかし、多くの開発現場では「どのようなコーディング規約を設ければよいのか」「チーム全体で一貫したコードスタイルを維持するにはどうすればよいのか」といった課題を抱えています。

そこで今回、Creative Content Lab Tokyoでは、実際の開発現場で使用できるSalesforce Apexコーディング規約テンプレートを無料公開いたします。

本記事では、このテンプレートの特徴と効果的な活用方法について詳しく解説します。

是非、本テンプレートを利用して各プロジェクトの実態にあった実践的なApexコーディング規約を作成してみてください。

なぜApexコーディング規約が重要なのか

1. チーム開発における統一性の確保

複数の開発者が参加するプロジェクトでは、各々が異なるコーディングスタイルでコードを書いてしまうことがよくあります。

これにより、コードレビューが困難になり、バグの発見が遅れたり、新しいメンバーがコードを理解するのに時間がかかったりします。

統一されたコーディング規約があることで:

  • コードの可読性が向上し、誰が書いたコードでも理解しやすくなる
  • コードレビューの効率が上がり、品質向上に集中できる
  • 新規参画メンバーのオンボーディングが迅速になる

2. Salesforce特有の制約への対応

SalesforceのApex開発では、一般的なプログラミング言語にはない独特の制約があります:

  • ガバナ制限(SOQL、DML、CPUタイムなど)
  • セキュリティモデル(共有設定、FLS)
  • マルチテナント環境特有の考慮事項

これらの制約を理解せずに開発を進めると、本番環境で予期しないエラーが発生する可能性があります。

3. 保守性の確保

Salesforceシステムは長期間にわたって運用されることが多く、初期開発から数年後に機能追加や修正が必要になることが一般的です。この際、コーディング規約に従って書かれたコードは、修正や拡張が容易になります。

1.テーラリングガイド

目次サンプル

1.基本方針(可読性・保守性の重視)

テンプレートでは、「可読性の優先」「保守性の確保」「Salesforce固有の考慮事項」の3つを基本方針として掲げています。これらの方針は、長期的な開発・運用を見据えた重要な指針となります。

2.命名規則の統一

クラス名、メソッド名、変数名、定数名それぞれに対して明確なルールを設定しています。例えば:

クラス名: PascalCaseで名詞または名詞句を使用

  • AccountService
  • accService

メソッド名: camelCaseで動詞または動詞句で開始

  • updateAccountStatus()
  • update()

3.コード構造とフォーマット

一貫したインデント(4スペース)、適切な行の長さ(120文字以内)、効果的な空行の使用など、チーム全体で統一すべき基本的なフォーマットルールを定義しています。

4.クラス設計のベストプラクティス

クラス内の要素の配置順序(定数→静的変数→インスタンス変数→コンストラクタ→パブリックメソッド→プライベートメソッド)や、適切なアクセス修飾子の使用方法を明示しています。

5.SOQL/DML操作の最適化

Salesforce開発で最も重要な要素の一つであるデータベース操作について、パフォーマンスとガバナ制限を考慮したベストプラクティスを提供しています:

  • バルク処理の実装方法
  • 効率的なSOQLクエリの書き方
  • Database クラスを使用した部分成功制御

6.包括的なテスト戦略

85%以上のテストカバレッジ達成を目標とし、ポジティブ・ネガティブ両方のテストケースを含む、実践的なテストクラス作成方法を解説しています。

テンプレートの効果的な活用方法

1. プロジェクト開始時の規約策定

新しいSalesforceプロジェクトを開始する際、このテンプレートをベースとして、プロジェクト固有の要件に合わせてカスタマイズすることで、短時間で実用的なコーディング規約を策定できます。

活用手順

  1. テンプレートをダウンロードし、開発チーム全体で内容を確認
  2. プロジェクトの特性に応じて、必要な項目を追加・修正
  3. チーム内での合意形成とドキュメント化
  4. 開発環境への組み込み(IDE設定、CI/CDパイプライン)

2. 既存プロジェクトの品質改善

既に進行中のプロジェクトでも、段階的にコーディング規約を導入することで品質向上を図ることができます。

段階的導入のアプローチ

  • 第1段階: 新規開発コードから規約適用開始
  • 第2段階: 既存コードの修正時に規約に合わせてリファクタリング
  • 第3段階: 重要なモジュールから順次全面的な規約適用

3. コードレビューの効率化

テンプレートに含まれるチェックリストを活用することで、コードレビューの観点が明確になり、見落としを防ぐことができます。

チェックリストの活用例

  • 基本事項(命名規則、アクセス修飾子、フォーマット)
  • 設計・構造(単一責任原則、メソッドサイズ、例外処理)
  • Salesforce固有(ガバナ制限、バルク処理、セキュリティ)
  • パフォーマンス(SOQLクエリ最適化、DML最適化)

4. 新人教育・オンボーディング

新しくチームに参加する開発者に対して、このテンプレートを教育資料として使用することで、Salesforce開発のベストプラクティスを効率的に伝えることができます。

実装時の注意点とコツ

段階的な導入を心がける

すべての規約を一度に導入しようとすると、開発チームに大きな負担をかけてしまいます。重要度の高い項目から順次導入し、チーム全体が慣れてから次の項目に進むことが重要です。

ツールを活用した自動化

可能な限り、IDE(Salesforce CLI、VS Code)の設定やCI/CDパイプラインを活用して、規約チェックを自動化しましょう。手動でのチェックに頼りすぎると、継続が困難になります。

定期的な見直しと改善

プロジェクトの進行に伴い、新たな課題や改善点が見つかることがあります。定期的に規約を見直し、チームの成長とプロジェクトの変化に応じてアップデートしていくことが大切です。

テンプレートに含まれる実践的なコード例

このテンプレートの大きな特徴の一つは、豊富な実装例が含まれていることです。抽象的な説明だけでなく、具体的なコード例を通じて「良い例」と「悪い例」を明示しているため、開発者が実際のコーディング時に迷うことなく適用できます。

バルク処理の実装例

 
apex
// ✅ 良い例 - バルク処理対応
public void updateAccountTypes(List<Account> accounts, String newType) {
    List<Account> accountsToUpdate = new List<Account>();
    
    for (Account acc : accounts) {
        if (acc.Type != newType) {
            acc.Type = newType;
            accountsToUpdate.add(acc);
        }
    }
    
    if (!accountsToUpdate.isEmpty()) {
        try {
            Database.update(accountsToUpdate, false);
        } catch (DmlException e) {
            handleDmlException(e);
        }
    }
}

セキュリティを考慮した実装例

 
apex
// ✅ 良い例 - 権限チェック
public void updateAccounts(List<Account> accounts) {
    if (!Schema.SObjectType.Account.isUpdateable()) {
        throw new SecurityException('Insufficient privileges to update Account');
    }
    
    update accounts;
}

継続的な品質向上のために

コーディング規約の導入は、ゴールではなくスタートラインです。継続的に品質を向上させるために、以下の取り組みを推奨します:

定期的なコードレビュー会の実施

チーム全体でコードレビューを行う時間を定期的に設け、規約の適用状況や新たな課題について議論します。

メトリクス測定と改善

テストカバレッジ、複雑度、規約違反数などのメトリクスを測定し、定量的な改善を図ります。

知識共有とベストプラクティスの蓄積

チーム内で発見されたベストプラクティスを規約に反映し、組織の知見として蓄積していきます。

まとめ

今回公開したSalesforce Apexコーディング規約テンプレートは、実際の開発現場での経験を基に作成された実践的なドキュメントです。このテンプレートを活用することで、開発チームは以下のメリットを得ることができます:

  • 開発効率の向上: 統一されたコーディングスタイルにより、コードレビューや保守作業が効率化
  • 品質の向上: Salesforce特有の制約を考慮したベストプラクティスにより、バグの削減と性能向上を実現
  • チーム力の強化: 共通の規約により、チーム内でのコミュニケーションと協力が促進
  • スケーラビリティの確保: 将来の機能拡張や保守作業に対応しやすいコード構造の実現

Salesforce開発の品質向上を目指すすべてのチームに、このテンプレートを積極的に活用していただき、より良いシステム開発を実現していただければと思います。

資料のダウンロード

テンプレートのダウンロードは、Creative Content Lab Tokyoの公式サイトから無料で行えます。ぜひ、あなたのプロジェクトでもご活用ください。

資料のダウンロードおよびご利用に関しては、本サイトのコンテンツ利用規約に同意される場合のみ利用可能となります。

ダウンロード前に利用規約を必ずお読みください。

一般公開資料

開発コーディング規約のダウンロード

ダウンロード

※クリックして資料のダウンロードが開始されるまで少し時間がかかる場合がありますので、そのままお待ちください。

もしダウンロードが開始されない場合、ブラウザでポップアップブロックされている可能性があるのでご確認ください。

最後に

サポーターさん
テンプレートのご利用に関して不明な点があればお問い合わせください。また、テンプレートに対しての要望がありましたらご意見ください。 皆様の役に立つように改善していきたいと思います。
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