今回からCreative Content Lab Tokyoが主催するセールスフォース講義の第2回目となります。
前回は、まずクラウドの基本的な部分からSalesforce(セールスフォース)の基本的なアーキテクチャについて説明しました。
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参考セールスフォースの基礎Ⅰ(1)クラウドの基礎~アーキテクチャ
今回からCreative Content Lab Tokyo(クリエイティブコンテンツラボトウキョウ)が主催しているセールスフォースのトレーニングコースとほぼ同様の講義内容を記事として公開していきます ...
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今回もSalesforceの基本から学習していきます。
1.インスタンスとリージョンについて
インスタンスとリージョンについては、Salesforceの基本知識として知っておくべき事項となります。
Salesforceのサービスインスタンスは、世界各地のリージョン(地域)にあるデータセンターで稼働しています。
中断のない可用性を実現するため、各Salesforceインスタンスは2つの地理的に異なる場所に構築されており、1つの場所から能動的に操作され、
トランザクションは完全に冗長な 2つ目の場所でほぼリアルタイムに複製されます。
また、メンテナンス、コンプライアンス、災害復旧を目的として、場所間でのサイトスイッチを定期的に実施しています。
以下は、インスタンスとリージョンについての説明資料となります。
例:日本には、東京と神戸にデータセンターがあります。一つのSalesforceインスタンスが東京と神戸にそれぞれ作成されて、あるタイミングでは、東京のインスタンスがメインで利用され、データが作成されるたびに、東京と神戸のインスタンスのDBにそれぞれほぼリアルタイムでデータが登録されるイメージとなります。
また定期的にメインが大阪のインスタンスに入れ替わるということになります。
インスタンスとデータセンター
Salesforceへログインした際に、ブラウザのアドレスバーに表示される URL にインスタンス名が示されます。
URL 例 : https://ap0.salesforce.com/home/home.jsp 左記の例では、インスタンスは AP0 です。
※Sandbox を使用している場合はインスタンスは異なり、「cs9」のようになります。
インスタンスが分かれば、どのデータセンターを利用しているかを確認することができます。(下図参照)
トラストサイト
Salesforceでは、各インスタンスの稼働状況やメンテナンス状況を確認するトラストサイトというサービスが提供されています。
Salesforce Status!(https://status.salesforce.com/)
トラストサイトでは、各インスタンスの稼働状況(利用可能、パフォーマンス低下、サービス中断など)やメンテナンスの状況をリアルタイムで確認することができます。
例えば、Salesforceのサービスに突然繋がらなくなったり、性能が著しく低下した場合にはこちらのサイトで状況を把握することができます。
Salesforceのリリース
Salesforceは、年に3 回 (Spring、Summer、Winter )季節ごとに最新機能のリリースが実施されます。
年度と季節をあわせて、リリースのバージョンが表現されます。例:Winter ‘20 ※2020年の冬
Salesforce プラットフォームはマルチテナントであり、メタデータ駆動型であるため、リアルタイムかつダウンタイムなしで、自動的にシームレスなアップグレードが実行されます。
そのため、リリース作業が業務に影響を与えることはほとんどありません。
リリース(Salesforceのバージョンアップ)に向けて必要となる作業
Salesforceのリリースは自動的に本番環境に適用されますが、適用されてから既存の機能に影響があることがわかるのでは遅いため、あらかじめリリースに向けて準備作業をしておく必要があります。
リリースに向けての作業は以下の手順で進めます。
リリース日の確認
Salesforce Trust Webサイトにアクセスするか、Salesforceの通知メールでリリース予定日を確認する。
リリースノート確認
リリースノートを確認し、どのような変更が行われるのか理解し、構築済みのシステムへの影響調査を実施する。
※通常、本番リリースの4 ~6週間前にはSandboxインスタンスのバージョンアップが行われるため、Sandboxで検証を行うことが望ましい。
検証実施
影響調査の結果、現行システム(機能)に対して影響がある場合には、対処方法を検討する。
設定変更・プログラムの修正・テストの実施など
リリースに向けての準備は以上となります。
影響調査については、システムの規模にもよりますが、多くの作業工数が掛かる場合もあるため、保守の提案の際には、リリース前の検証作業を実施するかどうか、どの範囲を対象とするかなど協議しておきましょう。
Salesforceが提供している標準機能に関しては、基本的にサービスとして品質担保されているため、検証は行わないとするということも合わせて確認しておくとよいでしょう。
基礎用語
プロジェクト開始時には、用語集を作成しておき必要に応じてお客様へ説明するとよいでしょう。
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参考Salesforce基本用語
Salesforceを始めて学習される方やご利用される方が最初に戸惑うのが、Salesforceの専門用語だと思います。プロジェクトでもお客様がSalesforceは初めてという場合もあると思いますの ...
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まとめ
続きは、以下の記事となります。
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参考セールスフォースの基礎Ⅰ(3)Developer組織の作成~ログインまで
【第三回】セールスフォースの基礎講義 前回の記事では、インスタンスとリージョンの考え方や基礎用語について解説しました。 今回は実際にSalesforceの開発環境を作成して、実際に操作しながら学ぶため ...
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本記事でご紹介したインスタンスに関する説明資料などを使ってお客様へ説明したい場合は、以下の記事から資料をダウンロードしてご利用いただけます。
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参考ユーザ向け説明用資料(クラウドの基礎)スライド
本記事では、Creative Content Lab Tokyo(クリエイティブコンテンツラボトウキョウ)が作成したユーザ説明用の資料(クラウドの基礎)のスライドをご提供しております。 1.ページサ ...
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