今回のテーマは、業務要件定義です。
まず、要件定義は、大きく業務要件定義とシステム要件定義の2つに分類されます。
業務要件定義では、経営戦略・IT戦略・グランドデザイン(基本構想)の段階から決められた、業務プロセスのあるべき姿を実現するための具体的な業務要件、業務機能の落とし込みを実施します。
そして、システム要件定義では、同じく上流工程で決められたTo-Beモデルの業務システム構築に向けて、業務要件に基づき、具体的なシステムでの実現方法を検討するという流れとなります、
本記事では、まず業務要件定義について説明していきます。
業務要件定義
業務要件定義の目的:
戦略・グランドデザイン(基本構想)の段階で計画した業務改善・業務のあるべき姿(To-Be)を実現するため、現状分析した業務を具体的にどのように改善・改革していくのか詳細を検討し、業務要件として整理すること
検討範囲(スコープ):
全体の業務領域のうち、計画段階で決定した業務領域のスコープを対象として業務要件定義を実施します。
最初にスコープの定義をしておかないと、お客様との要件定義の中でどんどん検討領域が拡大していく可能性があるので注意しましょう。
実施内容:
- ユーザ部門に事前に依頼し、現状の業務フローと業務内容を明らかにする。(イレギュラーケースも確認すること)
- 現場視察(独自の業務などがある場合に作業イメージが掴めない場合など)
- 利用しているシステムのインプット・アウトプットを確認(画面イメージ、ファイル、帳票類)
- ユーザ部門へのヒアリングを実施する。
- 現状の業務フロー、業務内容をもとに課題や問題点の洗い出しを実施する。
- 業務プロセスや業務機能について、あるべき姿(To-Beモデル)を検討し、ユーザ部門とすり合わせを行う。
業務要件定義を行うには、お客様の業務内容を理解する必要があります。
経験が浅く、まだお客様の業種について一般的な知識やシステムの知識がないという場合には、事前に書籍等で学習しておくことをお勧めします。
業務知識や業務システムに関するお勧めの書籍を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
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現状分析(現状の業務フロー、業務内容)
業務要件定義実施にあたり、まずは、現状分析(現状のお客様の業務フローや業務内容の調査、整理)を実施します。
基本的には、お客様の内部で整理した現行の業務フローや業務説明書などをご用意していただき、それについてプロジェクトメンバーで内容の確認と整理をしていくという流れとなります。
業務フローなどのインプットがない場合には、分析対象の部門の方に事前にヒアリング用の資料を配布し、業務内容を確認していただいてから業務内容に関するヒアリングを実施したほうがよいでしょう。
以外に普段行っている業務であっても、正しい処理の流れや何のためにやっているのかわからない作業も多いものです。
そういったものを棚卸し、現状業務の課題や問題点を現場担当者にヒアリングして洗い出していきましょう。
業務フローの修正は意外と時間がかかるため、事前に業務ヒアリングを実施して以下のような表にまとめておきましょう。
テンプレートはこちらからダウンロードしてください。
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参考業務ヒアリングシート(Excelテンプレート)
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